平成16年度 事業報告 

T.国及び関係機関に次のことを重点的に要望し、その早期実現を図る。

〔原子力政策について〕
原子力政策の推進には、理解と信頼が不可欠である。未だ、厳しい環境下にある原子力政策の現場で、市町村長が自らの政治生命を賭し、国策に取組まなければならない現状を憂慮する。原子力政策大綱に謳われている「原子力は立地あっての政策」を十分に踏まえ、国民の一層の理解促進を図りながら、安全・安心を第一義に原子力政策を進めることを強く求める。
〔安全確保策について〕
原子力発電所は安全確保が原点である。意図せぬ制御棒引抜けや臨界事故は絶対に起こしてはならず、さらに安全規制の根幹に係る隠ぺいや法定検査偽装等は、地域住民の安全を脅かし安心を大きく阻害する。過去を深く反省し、早急に地域住民が理解し信頼・安心できる安全確保策の確立を最優先に取組むことを強く求める。
〔地域振興策について〕
原子力立国計画の実現には、地域振興が必須である。全原協は、国のエネルギー政策の一翼を担う自負を持って取組んでいるが、新交付金制度に見られるように地域の特性を考慮せず道県に偏重する国の施策では、立地市町村との信頼強化は図られない。立地市町村に軸足をおいた施策を講じることを強く求める。
[具体的要望事項]
〔原子力政策について〕

(1)原子力政策の推進
1.「原子力政策大綱」および「原子力立国計画」の基本方針に基づき、国が主体となって、国民の理解と信頼の上に立って安全最優先に進めること。
2.国は現場で苦慮している立地市町村の実情を十分認識し、重視すること。

(2)原子力政策の国民的合意形成
1.国は前面に立って核燃料サイクル政策の重要性・必要性についての広報・広聴活動を実施すること。
2.原子力の理解を促進するためにも、原子力を含むエネルギー政策全般の教育に早い段階から取組むこと。

(3)電源開発促進対策特別会計
 電源地域の振興という立法趣旨に反する、電源開発促進税の一般会計への直入を見直すこと。

〔安全確保策について〕
(1)不正行為等を踏まえた安全最優先の検査制度・体制の確立
1.不正行為等の根本原因を踏まえ、信頼される実効性ある制度・体制を早急に確立すること。
2.定期検査の柔軟化等を目指した検査制度は、決して効率優先・稼働率向上のためであってはならず、予防保全の観点から安全最優先で慎重に検討すること。
3. 納得できる科学的根拠を明確に示し、地域住民に対する理解促進に国は前面に立って取組むこと。

(2)安全確保策の充実強化
1.不正行為等の再発防止対策を確実に実行するとともに、品質保証や保守管理、労働安全の充実強化等を含め、安全最優先の運営管理を徹底すること。
2.高い理念をもった原子力安全文化を定着させること。
3. 安全に係る情報について、事業者およびメーカーが迅速・的確に共有できるよう、システムを充実強化すること。
4. 定期検査は些かも安全性の低下を招かないよう、地域住民が安心できる万全の検査を行うこと。
5. 新指針に基づく既設炉の耐震安全性評価を確実に行い、その結果を国民に分かりやすく説明すること。
6. 専任の原子力安全地域広報官を早期に全ての立地地域に配置すること。
7. 安全性向上に一層投資できる環境を醸成すること。
8. 安全確保を担保する現場技術者を重視する環境づくりを行い、技術者の育成、技術継承を行うこと。

(3)原子力発電所の高経年化対策
国の説明責任のもと、地域住民の理解促進を図り、安全が確保され安心できる高経年化対策を確実に行うこと。

(4)原子力防災対策の実効性向上
1.  関係機関との協議や連携を重視した体制の強化のみならず、住民対策の充実強化を図ること。
2. 地域住民の避難のために不可欠な道路、施設、情報伝達システム等を早期に整備すること。
3. 防災行政無線のデジタル化など、市町村の防災体制強化に係る交付金制度を創設すること。

(5)テロ行為の対策
1. 有事の対処措置の明確な方針および具体的な対応を示し、地域住民に広報を行うこと。
2. 原子力発電所の重点的かつ恒常的な防護対策を継続的に強化すること。

(6)使用済燃料敷地外貯蔵の早期具体化
発電所敷地外における施設の早期実現化に向け、国及び事業者は積極的な対応を行うこと。

(7)プルサーマル計画に対する適切な対応
国及び事業者は地域に対する安全性と必要性についての説明責任を確実に果たし、様々な角度から国民理解の促進に取組むこと。

(8)放射性廃棄物の処理処分対策の早期確立
1. 安全を第一とした廃炉技術等を早期に確立すること。
2. 廃炉等により発生する低レベル放射性廃棄物のすそきりについて、地域住民や国民に対する理解活動を行うこと。
3. 高レベル放射性廃棄物の処理処分対策の早期具体化について、国は積極的に対応すること。